やっぱり変だよ、Skytrax2018

ようやく、SkytraxのAirlinesランキングが先日発表されました。

他のブログを見ていると、All Nippon Airways(NH)の6年連続5 starやJapan Airlines(JL)の5 star獲得についての記事は多く見かけますが、結果だけの記事になっており、そこまで深い研究をされている記事は多くないように見えます。

ところが、一流ブロガー、dantraさまの記事はやはり、一味違いました。NH, JL, Singapore Airlins(SQ)、Cathay Pacific(CX)を比較した記事は非常に秀逸な記事だと思います。

www.dangan-lucky.com

 

ところがこの分析とSkytraxのAirlinesランキングを眺めれば眺めるほど、今年の結果に疑念が出てきます。

 

まず、上記dantraさまの分析を元に考察して見ます。

上記、アジアの5 star各社で評価項目ごとに1位をとった数を数えて見ます。

 

Singapore Airlines(SQ)

All Nippon Airways(NH)

Cathay Pacific(CX)

Japan Airlines(JL)

First class

On-ground service

4

2

1

3

Lounge

3

2

1

4

In-flight service

4

1

3

2

Cabin crew

4

1

3

1

Business class

On-ground service

4

3

1

2

Lounge

4

2

1

3

In-flight service

4

1

1

3

Cabin crew

4

1

1

3

Premium Economy class

On-ground service

4

3

2

1

Lounge

N/A

N/A

N/A

N/A

In-flight service

3

2

4

1

Cabin crew

3

2

4

1

Economy class

On-ground service

3

4

1

2

Lounge

N/A

N/A

N/A

N/A

In-flight service(long)

4

3

2

1

Cabin crew(long)

3

1

4

2

Total number of #1

0

5

7

5

SQは今年、best first class awardを受賞していますが、上記分析でSQが一位になった項目は一つもありません。むしろ、NHやJLの方が評価が高い状況です。

さらにその他のcabin classを見ても、SQが一位を獲得した項目はなし。

でも、Airline ratingでは一位に躍進します。全く謎なランキングです。

順当にいけば、NHが一位でもよかったのではないかと思うくらいです。

Changiのシルバークリスラウンジも、CXのThe Pier First Class loungeの前には霞みます。

しかも、今回の調査もSkytraxがいうには、2000万人以上の顧客の満足度を調査して、得られた結果だそうです。

SQ躍進のドライバーがFirst Classにあるのだとしたらこの2000万人のうちのどの程度がFirst Classの客だったのでしょうか。席数から言っても、Fに登場している客よりもCの客の方がはるかに母集団としては多いはず。すると、今回のSkytraxの評価は母集団の少ないはずのFirst Class客の評価に色目をつけたことになります。

しかしながら、そのFirst Class、世界的には営業路線にしめる割合は多くありません。むしろ減少しているはず。NHでいっても、Fの搭載している路線は欧米路線の限られた路線しかありません。これからの航空業界の潮流を見る限り、Cabin ClassはBusinessとEconomyに集約されるというのが流れです。SQが鳴り物入りで始める、SIN-NYC路線、A350-900ULRにはFはなく、CとPYのみです。

そんな潮流の時代の中で過去の遺物になりつつある、F客に調査の重きを置いていることにSkytraxの評価のピンボケさ加減が現れていると思います。

 

さらに、5 starの顔ぶれ。JAL以外はいつも通り。ただし、Asiana Airlines(OZ)には疑問です。総合評価は24位です。その他の5 star エアラインが13位までにランクインしているにも関わらず、この航空会社ははるか下。Thai AirwaysやQantas Airwaysの方が順位が高いにも関わらず、これらは 4 star ratingに止まります。

こんなことを見てみるとやはりこの調査会社の評価は当てにならないなと思いつつ、ブログの記事のネタを提供してくれたことにだけ感謝しないといけません。

 

これからの時代、顧客満足もAIやBig dataで測れる時代。主要な航空会社であれば、その程度のことはできるはず。こんな調査会社の調査に頼ること自体、ナンセンスと言えます。Turkish Airlinesのようにさっさとこんな調査から撤退して、顧客満足に徹する、これがあるべき態度なような気がしてなりません。