Marco Polo tagとAsia:Chapter4
Peggyに連れられ、Bugisまで歩く。
タンクトップにショートパンツ、サンダルの彼女は軽快に歩を進める。
トップスこそ薄着なものの、デニム・adidasのスニーカー、デイパックに詰め込んだ荷物を抱えた私の足取りは重い。
さらに、紫外線対策として塗って居た、サンスクリーンが汗とともに目に入り、激痛を催す。
なんとか歩くものの、暑さで汗が止まらない。暑い暑いと言っていると、Peggyがハンカチを差し出してくれた。額から吹き出る汗を拭きながら、日陰のある市場を通り抜ける。
さらに、途中、汗の止まらない私を見かねて、汗ふき用のティッシュをくれた(それはまだ、使わずにデイパックの中にたいせつにしまってある)
「この家の色合い、東南アジア的でしょう。写真にとって行きなさい。」Peggyの進めるままにiphoneを向ける。
ようやく市場を抜け、目当てのFood courtへ
そうして連れて来てもらったお店はこちら
「ここは写真ですにもあるようにLee Kuan Yewも来ているのよ」。華人であるPeggyは誇らしそうに語る。早速、列に並び、注文しようとすると、「いいのよ。あなたは座って待って居なさい」。「代金は?」「いいのよ。気にしないで」。頑なに現金を受け取ろうとしない。諦めて、テーブルで彼女を待つ。
持って来てくれたchicken rice
彼女は昼を食べてしまったようで、ずっと私が貪る姿をぼんやりと眺めている。
不意に立ち上がり、どこかへ消える。
「Popiahというローカルフードよ。これもどうぞ」彼女は、それを追加で買って来てくれた。
米粉を使ったビーフンのようなものが入っている。ベトナムの生春巻きのシンガポール版のようなもので、とても気に入った。chicken riceのタレにつけて食べるとまた、味にアクセントがついて美味しい。
もう一度、彼女にお代を渡そうと試みる。でも、決して受け取らない。仕方なく諦めて、10シンガポールドル札をポケットにしまう。
「さ、次の観光よ」
Peggyは立ち上がり、颯爽と外へ。ちょうど市場の外側に面したところにフルーツ屋が商い中。東南アジアの色とりどりのフルーツを並べている。
「そういえば、日本でマンゴーって高いの?」
「高いよ。日本産のマンゴーの中には1万円を超えるものもあるよ」
「ここならマンゴー安いわよ。ついでに買って行きなさい。せっかくだから、あなたの家族の分も」そんなに持って帰れないので、とりあえず1個買う。お代はもちろん自分で払った。
そんなやりとりをして居たら、東南アジア特有のスコールに襲われる。
激しく降り出し、しばらくは止みそうにない。
「実はこの近くに夫のやっているお店があるの。そこで傘を借りて行きましょう」
旦那さんのやっているというお店に行くが、あいにく、旦那さんは打ち合わせで不在。傘だけを借りて、その店を後にする。
たまたま店に立ち寄って居た、マレー人と今度はPeggyはマレー語で話し出す。
「日本人なら日本語を話す人が日本人と言えるわよね。でもね、シンガポール人なんて人種はないの。華人、マレー系、インド系、様々な人がこの国を作っているの」
人種の多様性がこの国の力強さの基盤であることを再認識。
その傘を借りて、また町歩きをスタート。相変わらず、雨はひどい。
「さあ、その傘をさして、頑張って歩きなさい」
Peggyは降りしきる雨の中、傘を使おうとしない。
「Peggy,そのままだと風邪ひくよ。この傘、大きめの傘だから、大人2人が入れるよ。」
「この程度のスコールは慣れているの」
「でも、風邪をひくから。Peggyが風邪を引かせたら、旦那さんにも怒られるよ」
今度こそ、無理やり、傘をPeggyの真上に差し出し、2人でまた、歩き出す。
Sri Mariamman Templeを少し見て行く。
そうして、傘を二人でシェアしながら、てくてく歩いてついた先でもう一つの事実に遭遇することになりました。
(つづく)